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2006/11/1

プロローグ 変化 ・・2 カテゴリー » 大きな木のしたで

私には彼がいる。

私には出来すぎなくらいの人。不安といえば、私を好きだというくらいに仕事にも一生懸命なことくらい。
それでも、TVのようにドラマチックではないにせよ山あり谷ありを経験して、この先は見えるくらいの年数になっている。
そうやって互いにもうちょっとがないまま、微妙なバランスを保っているのかもしれない。
勝手な思いこみかもしれない。。結局答えが見つからないのだ。

最近なぜだか、不思議な思い出の答えを見つけなくてはならないような、焦りにも似た急いたきもちが続いている。
なぜだろう。

疲れの見える顔を見かねたのだろうか、私にとってはまた幸いなのだが上司に呼ばれ、やめさせるわけにいかないかわりに、出てくる気になるまで勝手に休め、給料も無いぞと怒鳴られたのだ。
やはりここでも都合よいという具合に不思議が働いたのだろうか?

そうやって休職させてくれた上司に感謝しつつ、あの続きの答えと自分を見つける時間を得た。

彼の部屋を掃除した。いつもは二人で面倒そうにするのだが、気が付いたら整然としすぎだろうか・・
「ごめんなさい」だけでは彼を大きく傷つけることになるかもしれない。
しばらく考えて、経緯とこれからどうするつもりか、行き先などは残すことにした。

しばらく戻ることは無いかもしれない。いいや、戻れなくなることも気持ちの奥では覚悟しているのかもしれない。

ただ、このときは彼にとっても始まりになるとは想像すらできるはずもなく、悲しいのか何なのか解らない涙があふれたが、なんとか彼の部屋をあとにすることが出来た。

― posted by aloha1 at 06:27 pm

2006/11/1

プロローグ 思い出からのはじまり・・1 カテゴリー » 大きな木のしたで

私には、誰にも話すことのなくなった思い出がある。

とくに秘密だったわけではないが、その不思議な体験を誰も信じなかっただけだ。父や母でさえ。
まだ私が小さな女の子だった頃のまるでものがたりのような思い出。

町に移ったころには、少しだけ大人になり話さなくなった。真剣に話しても、最初は興味深く聞いている友達を失うことが解ったから。

そのうち自分でもすっかり忘れることになっていた。

ただ、疲れると大きな木をさがしている。そうしては思い出し心の中ではなしていると、優しい風に吹かれるような気がして安らぐから。

都会に出て社会の一員となり、幸運にもすぐに仕事が見つかった。今思うと不思議なことだ。
学生時代に真剣に勉強していた友達でさえ苦労したというのに。

その学生時代には、自分には半ば趣味とも言えるクラブ活動に没頭していた。とはいっても皆のように、高い目標や目的があったわけじゃなく、パソコンで、描いた絵や写真を使ってお話を創ることが好きだっただけだ。それが幸いしたのか、不思議なことに雑誌の紙面を作る仕事がやってきた感じだ。
 (女の子のときのように、数少ない仲間と笑う写真)

― posted by aloha1 at 06:26 pm





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